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category :意味怖

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輸血

息子が事故にあった。輸血が必要だと医者は言う。
仕事人間で、息子をろくに構ってやれなかった。
私は真っ先に自分の血を使うよう医者に申し出た。
しかし息子はAB型だと言われた。私はO型だ。
息子の血液型すら把握していなかったとは。
結局、同じAB型の妻が輸血し、息子は一命を取り留めた。
よかった。
これからは仕事を少し抑え、家族のことを考えようと心から感じた。


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テーマ:創作シナリオ
ジャンル:小説・文学

少年

ある日幽霊が見えるって言う少年に会ったんだ。
俺も幽霊の存在は信じてるから、興味深い話ばかりだった。
その少年が言うには、幽霊と話すことが出来るし、触れることさえも
出来るそうだ。
幽霊は人間に害を及ぼすと言われているが、そのような幽霊は人間社
で言う犯罪者と同じように、ほんの一握りらしい。
それから少年は、こうも言っていた。
「幽霊が見えるって話は、絶対に生きてる人には言わないんだ。だっ
 て頭の変な子って思われるもん」
そりゃそうだ。

テーマ:創作シナリオ
ジャンル:小説・文学

親父との川釣り

小学生のころ、親父と川釣りに行ったときのこと。

その日はたしか休日だった。
両親はそのころケンカがちで、口論がたえなかった。

「台所は男の立つところじゃねえ」
とか口走る時代錯誤な親父だったから、しかたないとは思ってた。
息抜きというか罪滅ぼしというか、親父が
「時間あるし、これから釣りに行かないか?」
と誘ってくれた。

ちょっと遠出して、たしか車で2時間ぐらい。
「お前のお母さんの故郷なんだ。もうすぐだからな」って親父は言ってた。
親父と外出ってのが久しぶりだったし、ピクニック気分で水筒なんかもってったりしてさ。

いつのまにか寝てたらしく、目が覚めたら親父がいない。
と思ってたらそこは車のなかじゃなくて、病院だった。
車が事故ったらしく、俺は首をむちうちしてた。

後で母さんから聞いたんだけど、親父は不倫してて
結婚をせまられたらしく俺と無理心中しようとしてたらしい。
子供すぎて不倫の意味はわからなかったけど、なんか切なかった。

親父の行方なんて知らないが、
俺はこの事件以来、優しくなった母さんが好きだ。
2人だけの家族だもんな。

テーマ:創作シナリオ
ジャンル:小説・文学

存在意義

 俺は雑踏の中立ち止まった。人々は立ち止る俺のことなど、興味がないようにそれ
ぞれの歩みを止めなかった。急に立ち止まった俺を、中年の女性が迷惑そうに振りか
えってじろじろとぶしつけな視線をよこした。俺はそんな彼女を無視して、大空を仰
いだ。大都会の灰色のビル群は、ちっぽけな俺を見下ろして、小さな、非常にか細い
声で囁いた。

 お前は何のためにいるんだ?

 雑踏はそんな囁きに気づかず、駅の方に向かってぞろぞろと歩いていく。俺は、は
たと考え込んだ。俺はいったい何のためにここにいるんだ。ここは俺のいるべき場所
か?背中に冷たい汗がつーっと流れた。紺色のスーツの中のワイシャツはびしょ濡れ
だった。眼鏡の前の視界が歪んだ。

 いつか訪れる死を待ち、わずかな富を得て、貧しい自己満足の中で生命活動という
無意味な行為を行って、誰にも理解されない些細な、ほんの些細な小さな人生をまっ
とうするのか?お前が生きた結果、人々に、世界に、何の影響をもたらすのだ?この
コンクリートジャングルの一片でも動かすことができるのか?

 ビル群の囁きは、次第に大きくなり、大音量で耳に響いた。俺は居たたまれなくな
り、大空から顔をそむけて歩き出した。街いく人々が俺を振り返り、大なり小なり口
を動かして俺に言った。

 お前はどうしてここにいる?

 俺は走り出した。どこでもいい。ここではないどこかへ逃げたかった。慌ててスイ
カを自動改札機に押し付けると、人々を押しのけ、階段を駆け降りた。電車がやって
くる。俺は安堵のため息を漏らすと、ホームに入る電車を待ちながら、ネクタイを緩
めた。暑いなぁ、今日は。

 お前はどうしてここにいる?

 声が聞こえると同時に、ドンっと背中を押され、俺は線路に転がり落ちた。プアー
ンと悲しい汽笛がホームに鳴り響いた。

テーマ:ミステリ
ジャンル:小説・文学

つまみぐい

ふと切ない気持ちになり、台所に向かった。
台所で、妻が食事の支度をしている。
ご飯はもう少し待って、という妻に、おなかに触っていいか、と尋ねた。
痩せて華奢な妻の体は、腹部だけが異様に張り出している。
この中に、わたしたちの子がいるのだ。

後ろから抱きしめるようにわたしは妻のおなかをさする。
妻は笑っている。
料理の味見をしていたのだろう。
何かを口に入れているようだ。

妊娠するとつわりでものが食べられなくなることがあると聞いたが、
妻の場合、逆に食欲旺盛になった。
量は少ないが、一日に何度も食べているようだ。
もともと肉は好まず、ほとんど食べなかった妻だが、
最近は肉料理もよく食べる。

皿には豚肉が醤油ダレに漬けてあった。
今日はこれを焼いて食べるのだろう。
妻は少し肥った方がいい。
たくさん食べて、元気な子を産んでくれ。
口には出さないが、そう思った。

そろそろいいかしら、お肉を焼かなくちゃ。
妻が言うので、わたしは部屋にもどることにした。
妻はフライパンを火にかけると、皿から肉を一切れつまんで口に入れた後、
じゅうといい音を立てて焼き始めた。

テーマ:創作シナリオ
ジャンル:小説・文学

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imikowa88

Author:imikowa88
自作小説みたいなものを
不定期更新します。

保管庫みたいなものなので
あたたかい目で見守ってください。

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