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長期連載小説3 ~ 三須刑事2

 まだ、若年の、刑事課に配属されたばかりの三須が、この大役を任されたのには、

理由があった。彼の前の配属先は少年課であり、不思議と少年犯や非行少年からの

人望があった。まだ26歳になったばかりで、年若いということもあったが、

根っからの人好きで、誰からも愛されるように育ったのもあるかもしれない。

 短髪長身で、ごつごつした刑事課の連中よりもさわやかで見た目もよい。聞き

取りや面取りの際には、その人当たりの良さも一役買っていた。

 実際、平の同級生への聞き取りは、彼が行っていた。同級生に聴取を行って、

彼自身も、平の犯行が疑いないように感じていた。十中八、九、平は犯行に手を

染めている。そんな確信があった。これは刑事としての勘よりも、多くの少年を

見てきた大人としての勘が働いていた。

 カワさんが休憩室から去るのを見送り、田中は改めて切りだした。

「大人になるんや。正義ばっかりじゃ警察はいけん」

「しかし、こんなやり方はいずれバレます」

細長の目をキッと開くと、田中は、

「絶対にバレへん。わしが何年、調べやっとると思とるんや。

 嘘も方便、言うやろ」

三須は真剣な面持ちで、何やら考え込んでいる。

「とにかくそういうことや、失敗は許されないんや。ええな」

 田中はまるで何かに追われているかのように、まくし立てた。

「……」

「お前は、鑑定書を見せるふりをするだけでええ。あとは俺が追い詰める。

 ええな」

「……しかし」

「ええな」

 結局、三須は田中に押し切られるような形でしぶしぶ肯いた。こんな形で騙す

ようなことは、犯人に対する裏切りで、後ろめたさも感じた。しかし、三須自身も

犯人逮捕、早期解決を願っている。平の犯行も疑っていない。ほんの些細な嘘で

あれば、その方法も間違っていないのかもしれない。そんな気持ちもあった。



 14歳の少年を逮捕するロジックは着実に完成しつつあった。
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テーマ:創作シナリオ
ジャンル:小説・文学

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